有期労働契約(雇止め)

2017年2月

労働契約の締結の際、また更新の際、労働基準法に習い、労働条件について書面交付の方法により労使間で確認の経過とします。

労働契約の期間について、労働基準法では期間を定める労働契約に上限を置き、労働契約法では有期労働契約での契約期間を、目的に照らして必要以上に細切れしないように配慮を求めています。

契約期間の満了は、有期労働契約の期間の終了となり、法の制限が無いことには変わりありません。

有期労働契約での締結また更新後、契約期間満了時の使用者からの意思表示で契約の更新をしないのは、「雇止め」、労働者からの意思表示では契約期間満了、また自己都合退職と解されると思います。
雇止めについては、労働基準法第14条2項での厚生労働大臣基準では、①3回以上の更新か1年を超えた継続雇用者を雇い止めの場合の予告、②雇止めの予告また雇止め後に労働者からその理由について証明書を求められた場合は雇止め理由について交付が必要とされます。

期間の定めの無い労働契約労働者の解雇については、労働基準法等により、解雇について制限等が置かれています。
期間の定めがある労働契約労働者の期間中途での解雇については、一般解雇と同じく労働者保護規定が働きます。

有期労働契約労働者の契約更新拒否等など、最近は使用者と労働者での民事上の争いが多く起き、単に契約期間の満了として、雇止めとして、とは認められない判例ケースも増えました。
契約の型式が期間の定めかある契約でも、実質は無期契約と同じと判断される場合などは、反復更新の実態や締結時の経緯、労働者の雇用継続への合理的期待が認められる裁判例も出ています。
これらの場合は、期間の定めのある労働契約の更新とは見れず、解雇に関する法理の類推適用となります。
この場合での雇止めは「解雇」となり、民亊トラブルでは、その解雇は無効とされます。

通常は、雇止めは事前通知されるでしょうし、解雇とは思いつきで行使されることはありません。
解雇には懲戒解雇もあります。
ちなみに、懲戒処分による解雇を根拠とする場合には、事業所で適用を受ける就業規則が必要となります。

就業規則の作成および届出については労働基準法第89条の9により、表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項。

有期労働契約の反復更新は、使用者・労働者に異議がない限りで、労働基準法第14条2項により、労働契約法第17条2項により、使用者は契約期間について、労働者の継続への希望に応じ、労働者の能力に応じ検討頂き、ご配慮いただきたく、考えてしまいます。

 

「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」 : 厚生労働省より
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/12/dl/h1209-1f.pdf

 

シマムラ社労士事務所 嶋村徹